冬の仕事

ブログの更新がかなり長い間滞ってしまい、大変申し訳なく思う。
冬は時間が作りやすい季節なのではあるが、この前の冬は、なかなかに忙しかった。そこで今回は、ブログ更新が滞った言い訳をさせて頂くため、題して「冬の仕事」について。

農閑期という言葉があるくらいなのだから、冬は外に出る仕事が少なくなる季節であるのは確かである。作物はほとんど成長しないし、寒くて新しく種を播くこともできない。畑からは、だんだん作物が減る一方である。逆に言えば、一年でこの時しか農家は休むことができない。だから、農業を始めた時、正月休みというものが農家にとって、或いは、日本の伝統的な生活様式において、いかに特別なものであるのか妙に納得がいったものだ。

しかしながら、こういう時にしかできないこともある。圃場の整備であったり、道具の製作や手入れなどである。そうすると意外にやらなければいけないことが沢山あり、そんなこんなをしていると、あっという間に種を播く時季になって、苗の世話に日々付きっ切りの生活に遷るのである。ちなみに、当地では早い人では正月が明ける前に、夏野菜の種をもう播き始めている。

そして、それ以上に冬にしなければならない重要な仕事が次の一年の計画である。計画とは、主にどこで何をいつどれくらい作るかという作付計画であるのだが、パズルと言うよりむしろ複雑系を解くようで、なかなかしんどいものである。しかも、計画には当然、過去の反省が付き物であって、過去のデータの解析、さらには学術論文も含めた調査・分析を行うため、かなり時間がかかる。簡単な言葉で済ませれば、PDCAのサイクルをきちんと回す、ということなのであるが、そんな言葉では済まされないような、綿密かつ実行可能な計画を作り上げることが必要なのである。トヨタ式ではないが、計画と実行に10%以上の差が出てしまうような計画を作るようでは、そもそも計画が間違っている。計画段階での失敗は実行で挽回することは絶対に不可能なので、徹底的に調べつくし、机上演習を行い、そして一年の計画を完成させるのである。

そんなわけで、非常に優先度が高いヘビーな事務仕事が冬に入ってきてしまい、ブログを更新することがなかなかできなかったのである。これが言い訳である。年間の計画を完成させるまで、気分が落ち着かず、他のことに手をつけられなかった。もちろん、ブログを更新できないでいることにも居心地の悪さを感じ続けていた。でもそれも今日まで。今夜は安らかに眠ろう。