日本の農業の何が悪いのか

今回は、このブログのタイトル通り、「日本の農業を想う」こと。
政治というより政策的な内容についても連載して行きたいと思う。なぜなら、農業の現場で起きていることは、メディアで報道され、一般に広く理解されていることとはかなり違うからだ。さらに言うと、それだけでなく、学界・官公庁で理解・公表されていることについても、かなりの部分それは本当に正しいのか?と首をかしげてしまう内容であるからだ。自分の意見が必ずしも正しいとは思っていないが、現在の日本の農業の理解と今後のあり方について一石を投じたい。

第一回目の今日は、「日本の農業の何が悪いのか」。最も大きな括りでの話。

日本の農業は多くの問題を抱えている。これについて異論を唱える人はほぼいないだろう。主なところで、農業産出額の縮小、高齢化・後継者不足、耕作放棄地の拡大、食料自給率の低下、TPP参加による影響、等々。これら個別の事項についても、問題だと思わない人はほぼいないだろう。自分自身もこれまでそのように思っていたし、大学の授業も含めてそのように教わってきた。

しかし今では、上に挙げた主な事項全てが問題だとは思っていない。正確に言うと、問題であると定義できない、というのが考えなのであるが、個別の議論はまた今後行うとして、全体を通して言えることは、それら全ての事項は、問題である前に「過去の結果」でしかないということなのだ。

問題であると思うのは、現在起きている事象について、節足に良し悪しの判断をしようと色眼鏡を通して見るからであって、冷静に現在を見つめ、過去の因果関係を捉えれば、何が真の問題であるのかが分かる。話が脇に逸れるが、そこが日本社会全体として論理的思考力に欠ける、悪い点だと思う。すぐに批評を加える、良く言えば現状を常に問題として捉えるのは結構なことなのであるが、トヨタ式の真似ではないが、何故を繰り返さなければ、問題の本質には至ることはできない。それを避ける第一歩が、現状を問題と思いこむ前に、ありのままに過去の結果としてまず受け止めることなのだ。

さて話を戻すと、では、良く言われる日本の農業の問題点が過去の結果だとして、では何の結果なのかと言うと、「農業は儲からない」ということが全てなのではないかと思う。農業で儲からないから、後継者がいない、結果として高齢化する、耕作放棄地も拡大する。(その他の点については別にからくりがある。)農業で儲からないということが、何よりの原点であると思う。もちろん、農業で儲からないことに対しても、さらに遡ってその原因があるのではあるが、そこはまた別の機会に議論することとして、この項では、結論として、農業で儲からないから、現在日本が抱える農業の諸問題を生んでいる、と結論付けることにしよう。

もう少しつけ加えると、後継者不足・高齢化、耕作放棄地の拡大も、根本の問題を捉え、解決することができなければ、いくら対応をしても、本当に効くかよく分からない対処療法の域を出ないだろう。それまで貴重な時間、労力、そして税金が使われていくのである。残念なことである。

暗いトーンになってしまったが、この項では日本の農業について良し悪しの判断をしようとしているのではない。むしろ、問題として捉えられていることたちが、問題ではないのではないかと思っている。その意味では、日本の農業の状況は、楽観的にそんなに悪くないのではないのかとも思ってしまう。