アロマフルな話 – 枝豆

アロマフルな話、2回目は旬に入ったばかりの枝豆です。

<当園看板商品の1つの枝豆>
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枝豆には何かちょっと特別な思い入れがある、そのような人は多いのではないかと思う。きっと、暑い夏に飲む、とても良く冷えたビールを連想させ、それに必ずお供として付くものと思わせるからなのかもしれない。

確かに、自分自身もサラリーマン時代から枝豆にはちょっとした思い入れがあった。飲み屋に行けば、この時季、まず注文する。そして、大概、どこの店も茶豆やらなんたらかんたらと特徴を書き立ててあり、だからこそ余計に、この枝豆は美味い/不味いなど、一丁前に批評を下し、ビールを飲み下すのである。それで、美味しい枝豆に当たったときは、幸せな気分になるし、この店はなかなかやるなと、勝手に自分の中でお店の評価まで上げてしまうのだから。

さて、それでこの枝豆という野菜が、自分が実際に農業を始めてから、その概念が大きく変わった野菜の1つでした。
その理由は、品種と新鮮さで味が全く違うから。香りと甘さが全く違います。誤解を恐れずに言えば、この枝豆を食べれる人は幸せだ、とさえ思ってしまうくらい。逆に言うと、自分は大変罪なことをしている気になってしまう。

枝豆の味について、当園が使っている品種は、緑豆ではありますが、茶豆風味の良い香り、甘味の強い良い品種を使っています。また、甘味が一番のる時期は、実がパンパンに張っているよりも7割くらいの実の入りの時で、やや物足らない感じがするくらいの頃が一番良いです。このタイミングで収穫すると、枝豆の良い香りが辺り一帯に漂います。一般に出回っている枝豆は、一番良い時期を明らかに過ぎていることが多いです。量で農家の手取りが決まるので、致し方ないことと思います。

鮮度についてですが、枝豆は鮮度が大変落ち易く(採って半日~1日が勝負)、そのため納品直前に採るようにしています。また、手間を嫌がるお客様もいらっしゃいますが、敢えて枝付きで販売しています。枝豆は、枝から外すとさらに急激に鮮度が落ちてしまうからです。そうでなくても、収穫後、発熱していることもあります。お湯を沸かしている間に、枝から外してください。あと、当日にお召し上がらない場合でも、必ずご購入された日に火を通してください。

枝豆を美味しく食べるためには、茹で方もポイントを押さえる必要があります。以下、これまでの当園の経験から一番良いと思う枝豆の茹で方です。

①お湯を沸かす。1束に対して、水1L、塩40gで。この塩加減が甘さを一番引き出すのだそうです。
②枝豆は直前に枝から外し、塩(分量外)も使って軽くもみ洗いする。
③茹で時間は投入から5分きっかり。ぶくぶくと煮立つのは最後の1分くらいですが、十分火が通ります。その頃には、台所に枝豆の良い香りが充満することでしょう。
④ざるに上げたら、うちわで扇ぐ等で、手早く冷ましましょう。熱いのをそのままにしていると、風味が飛んでしまいます。またこのときに、塩をお好み量振りかけて。お湯を沸かすときに塩を大量に使っていますが、豆には塩味はあまりついていません。
⑤温かいうちも悪くは無いですが、しっかり冷ました方が、味は断然美味しくなります。塩味も浸みてきて、ちょうどいい具合です。

茹で方にもこだわって、ぜひ当園自慢の枝豆をご賞味下さい。